RFID概要
RFIDとはRadio Frequency IDentification の略で、電波を利用した認証(認識)技術の総称を言い、物品・人物を自動的に識別する為に使用されます。
数cm程度のタグをカードやラベルへ埋め込み、読み取り器(リーダ・ライタ)と交信させ、 タグの情報から、認証、情報書き込みといった処理を行います。
タグは、ラベル型、カード型、コイン型、スティック型など様々な形状があり、 通信距離は数mm程度のものから数mのものがあります。
また、電池を持たない半永久的に利用可能なタグも存在します。
RFIDの特徴
RFIDには以下のような特徴があります。
- 非接触/非オペレーション
- Read/Writeが可能
- ICタグにデータ格納、キャリーが可能
- ユニークID(個別認識)
- 複数タグ同時読み込み(アンチコリジョン)
- 視界外の環境でもRead/Writeが可能
- 汚れに強い
- センサーとの連動が可能
パッシブタグとアクティブタグ
パッシブタグ
パッシブタグは自ら電源をもたないことを大きな特徴としています。
リーダ・ライタのアンテナから1m~2m程度の至近距離では、 電磁誘導現象などの原理を用いて動作し、電波を受信・発信することが可能です。リーダ・ライタから遠ざかると機能しないため、 空間的な適用範囲は狭いが、低コストで製造でき、ほぼ永続的に使用することができるといったメリットを 持っているので、商品の在庫管理や盗難防止のタグとして手軽に使用することができます。
アクティブタグ
アクティブタグは、電池が内蔵されており、タグ自体が一定周期で電波を発する事が大きな特徴です。その為、リーダ・ライタとの距離が数十mでも交信できるという長所がありますが、電池の寿命が尽きると交信できなくなり、また、パッシブタグよりも高価という短所もあります。
またセンサーと接続して、自発的にその変化を通知することができるので、センサーネットワークとしての 用途が期待されています。
電波の伝達方式
電磁誘導方式
電磁誘導方式のRFIDシステムは、リーダ・ライタ側アンテナと、タグ側のアンテナとの間で、磁束のやりとりをすることで情報を伝達します。
また、タグに組み込まれているICチップはバッテリーなしで機能します。リーダ・ライタから送られる磁束をアンテナで電流に変換し、そのエネルギーによってICを駆動しているからです。電波方式に比べて、エネルギーを効率的に伝達できるので、開発が先に進みました。Felicaはこの方式です。130~135kHz、13.56MHzでこの方式が採用されています。タグの通信可能距離は最大でも1m程度です。
電波方式
電波方式のRFIDシステムではUHF帯や2.45GHzのマイクロ波などが使われます。タグとリーダ・ライタ間のデータの送受に、電波を使用してデータのやり取りをします。通信距離が長くとれるのが利点ですが、無線LANと同様に電波干渉の問題が発生します。通信可能距離はパッシブタグで3~5mです。 アクティブタグは、出力電力さえ許せば数km程度も通信可能です。
周波数帯域
13.56MHz帯の規格
カードの種類と特徴
Felica
SONY社が開発した非接触型ICカード技術方式である。チップ内での処理速度の速さや 大容量メモリ・記憶容量、高いセキュリティ性能などが特徴である。
MIFARE
フィリップス社(現NXP Semiconductors)が開発し、国際通信規格ISO/IEC14443TypeAとして標準化されている。世界的には最も多く、採用され普及しており、Felicaと比べ安価である。日本ではタバコカードのTaspo(タスポ)などに利用されている。
MM4000L
Motolora社が開発した、国際通信規格ISO/IEC14443TypeBの近接型ICカードである。日本国内では、住民基本台帳カードに使われているほか、運転免許証などにも採用されている。
I-CODE LSI
フィリップス社製の国際通信規格ISO15693として標準化されているICカードである。ユーザーメモリ容量は、FelicaやMIFAREと比べ低いが、最大交信距離は長く近傍型である。